最近、お部屋探しのお手伝いをしておりますと、
敷金と現状回復の件を相談されるケースが多いので、
一度、整理したいと思います。
そもそも敷金とは、一般的にご入居する際、家賃の1〜2カ月分を貸主に預けるお金で、
退去時の家賃の滞納や部屋の修繕時に使用されるものです。
しかし、今までこの内容が非常に曖昧な為に、認識の違い【貸主と借主間で】が生じ、
トラブルになる場合が多発しておりました。
そこでようやく国が動きまして、昨年(2015年)3月、120年ぶりの民法改正が閣議決定、
「貸主は賃貸借契約の終了時に借主へ敷金を返金しなければならない」という義務が初めて規定される予定で、
退去時に敷金を全額原状回復に当てる事が出来なくなります。
原状回復の範囲に関しても曖昧な状況を打破すべく、民法の改正が行われ、
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、
賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による
損耗・毀損(以下「損耗等」を復旧すること」と定義される予定です。
つまり、畳や壁紙の黄ばみなど経年劣化による汚れなどは原状回復の範囲には入らないという事を意味します。
今回の改正によって、貸主/借主の関係がようやく良好な方向になっていくのではないでしょうか。
ちなみにこの改正の施行は、2018年までを目指しております。
法改正までは、まだ時間がかかりますので、
それまでは、既に国交省より出されているガイドラインが借主の
味方になりそうです

※ガイドライン一部抜粋したものです。

手元に届いたマンション総会の資料に建替えに関する議題が…
自宅マンションも築42年を超え、建替えの話が出てくる事は自然の流れ。
そこで少し、マンションの建替えについて整理してみました。
現在までに我が国で建替えを無事に終えたマンションは約200例程しかなく、
所有者全員が足並みをそろえて建替えに向かうというのはなかなか容易なことではないようです。
阻害している大きな要因は区分所有法、5分の4が賛成すれば、
マンションの建替え決議は可能だということになっているのですが、
建替えに消極的な方や、建替え費用が捻出できない方がいたり、
建物の老朽化を賃貸契約解消の正当事由としない借地借家法が立ちはだかり、
賃貸人がなかなか出ていかない、などの様々な理由から
マンションの建替えがうまく進んでいないのが現実なのです。
しかし、建替え議論の一方で、空家問題が深刻化している事も事実。
今後の人口減社会を考えますと、
建替えありきの議論では無く、例えば別な用途に転換する事も議論の一つに加え、
建物を建て替えずに価値を維持していく道を探る事も
可能性の一つなのではないかと思います。






先日新たな出会いを頂いたクライアントさんと、
歩きによる物件調査を実施しました。
約3時間の調査でしたが、意見交換しながらの物件探索は、
机上のヒアリングでは把握出来なかった新たな発見などもあり、
非常に有意義な時間となりました。
現在、福岡県の空き家の総数は約32万戸。
数字だけ見ますと、沢山有るように思えますが、
現実は理想通りの物件に出会えるチャンスはそうそうありません。
少しでも理想に近づけられるよう、諦めずに動いて行きたいと思います。

空き家を放置すると税金が6倍に!
最近よく耳にするこのフレーズ。
先日、とある街で土地を探していると、
「あの家も壊すよ、例の税金の関係で」とご近所さんに教えてもらったのが、この建物でした。
正直、このままでも十分活かせるのでは…
実際は空き家だからといって、直ぐに6倍になる事はありません。
6倍になるには、倒壊の危険性、草が生い茂っているなど、
ご近所さんに迷惑をかける状況に至り、
更に諸手続きを経て”特定空き家”というモノに指定される必要があります。
そこで指定されて初めて、増税措置【6倍】に進みます。
確かに空き家問題は今後深刻化していくことは避けられませんが、
壊す方向性だけが解決策ではないような気もします。
逆に空き家を活かしたケースには、何らかの減税があってもいいのではないでしょうか?